各紙がおめでとう

CL優勝のインテル、寡黙なストライカーが三冠達成に導く
チャンピオンズリーグ(以下CL)は現地時間22日に決勝が行なわれ、バイエルン(ドイツ)を2対0で下したインテル(イタリア)が1965年以来45年ぶりの欧州王者となった。インテルの全2得点を挙げたFWディエゴ・ミリートは30歳。ついにその名が世界の紙面を飾ることとなった。ロイター通信が報じている。
昨夏にジェノア(イタリア)からインテルに移籍したミリートは、イタリアでは「王子」の愛称で親しまれ、寡黙に仕事をこなす様と類稀なゴール嗅覚で知られている。その危険性を知る対戦相手のDFから強烈なタックルを受けることも珍しくないが、世界的な知名度となると、同じアルゼンチン代表FWリオネル・メッシらの影に隠れていた。
今季のインテルでは、ミリート加入と前後してFWズラタン・イブラヒモヴィッチバルセロナ(スペイン)へと移籍。D・ミリートがその穴を埋めるのは難しいとみられていたが、その活躍は特筆すべきものだろう。セリエAでは22得点とゴールを量産。スクデット(リーグ優勝)を決めた最終節のシエナ戦で決勝点を挙げたほか、コッパイタリアとCLのそれぞれの決勝でもネットを揺らすという離れ業をやってのけ、インテルの三冠達成に大きく貢献している。
試合ではこれだけの活躍を披露するD・ミリートだが、ピッチ外で強く自己主張することはない。CL決勝の試合後、同選手は「こんなにうれしいことなんて経験がないし、信じられないよ。みんな本当にこのタイトルを欲しがってたから、僕もとてもハッピーだね」とコメント。「最善を尽くそう、学ぼうと常に格闘している。30歳でもね」と、謙虚な言葉を残していた。
しかし、喜びをあらわにする一方で、気になる一幕も見せた。来季もインテルでプレーするのかどうか尋ねられると、同選手は「それは…」と口ごもり、来季の去就については明かさなかった。
(ISM - 5月23日19時32分)

泣けた!インテル45季ぶり制覇/欧州CL
5月24日7時52分配信 サンケイスポーツ
欧州チャンピオンズリーグ決勝(22日=日本時間23日、マドリード)インテル・ミラノ(イタリア)がバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)を2−0で下し、前身の欧州チャンピオンズ杯を1964、65年に連覇して以来となる45季ぶり3度目の欧州制覇を果たした。南アW杯のアルゼンチン代表FWディエゴ・ミリト(30)が、2ゴールとも決める活躍。インテルは欧州代表として、12月にUAEで開かれるクラブW杯に出場する。
インテルで700試合目となった主将で元アルゼンチン代表MFサネッティが、純銀に輝く優勝トロフィー「ビッグイヤー」を高々と掲げる。45年ぶりの雄たけびを、7万超で埋め尽くされたサンチャゴ・ベルナベウの夜空にとどろかせた。
ボール保持率はわずか34%。しかし、これこそが真骨頂だ。バイエルンMに持たせながらカウンターの機会をうかがった。そして前半35分、GKジュリオセザールが放ったロングキックを敵陣深くで受けとったFWミリトが、オランダ代表MFスナイダーとのワンツーで一気に突破。右足から値千金の先制ゴールだ。
後半25分にもカウンターから、カメルーン代表FWエトーのラストパスに、ミリトが左サイドから相手DFをかわして2点目。W杯のアルゼンチン代表に初めて選ばれた遅咲きの30歳が、今季公式戦30ゴール目で試合を決めた。
「信じられないくらい幸せだ。これこそサッカーだよ。今まで味わったことのない感覚だ」。ミリトが感動で声を震わせた。
今季はクラブ史上初のセリエA5連覇に、イタリア杯も制覇。史上6クラブ目、イタリア勢として初のシーズン3冠に導いたモウリーニョ監督は、「本当にファンタスティック。われわれ家族誰もの夢だった」と胸を張る。「インテルでの仕事は終わった。私は3つの異なるクラブでCLを制した唯一の監督になりたい。3番目のホームはベルナベウだ」と来季のRマドリードの監督就任を明言しながらも、「歴史を作った」と誇らしげだった。
地元ミラノではチームを迎えようと、翌朝6時の本拠地サン・シーロに7万人のファンが集結した。黄金時代を迎えたインテルが、また1つ栄光を刻んだ。

インテル45季ぶりV、イタリア勢初3冠…欧州CL
◆欧州チャンピオンズリーグ決勝 バイエルン0―2インテル(22日・マドリード) インテル(イタリア)がアルゼンチン代表FWミリト(30)の2発でバイエルン(ドイツ)を2―0で下し、1964〜65年以来45季ぶり3度目の頂点に立った。5連覇した国内リーグ、同国カップに続く同国勢初の3冠を達成。モウリーニョ監督(47)はFCポルトポルトガル)を率いた2004年以来の優勝で、2クラブで欧州CL制覇を果たした史上3人目の指揮官となった。47歳は最年少。インテルは12月にUAEで行われるクラブW杯に出場する。
“師弟対決”は弟子に軍配が上がった。「私は世界最高の幸せ者だ。我々は優勝に向けて周到だった。そうでなければ、ファンハールの率いるチームを倒せなかっただろう」。モウリーニョ監督は“師匠”に敬意を示し、控えめに喜びを表した。
ファンハール監督とモウリーニョ監督は、97年から00年までバルセロナ(スペイン)で監督とアシスタントコーチを務めた間柄。「守備的だと批判されていたが、カウンター攻撃の威力を証明できて満足だ」と、胸を張ったモウリーニョ監督をファンハール監督は「監督はそれぞれに信念があり、お互いにそれを貫いた。勝ったのは彼で敬意を表したい」とたたえた。
モウリーニョ監督に史上3人目となる2クラブでの欧州制覇の栄誉をもたらしたのはミリトだった。前半35分、GKからのロングボールを頭で受け、スナイデルとのワンツーで正面を突破するカウンター攻撃を見せて中央へ先制ゴール。後半の25分にはDFをかわして左を突破。右隅へ2点目を叩き込み「これまで味わったことのない喜びだ」と感慨に浸った。
クラブとしては45季ぶりの栄冠。1990年代と2000年代前半、ともに欧州最優秀選手のMFマテウス(ドイツ)やFWロナウド(ブラジル)ら大物を並べても欧州制覇は遠かった。4か国語を操り、人心掌握術にたけるモウリーニョ監督は、わずか2年でその体質を変えた。スーパースターは不在でも一丸となり、相手の特長を消して勝機をつかめるチームを築き上げた。
野心は尽きない。「史上初めて3つのクラブで欧州を制する指揮官になりたい」。モウリーニョ監督は来季、決勝の舞台となったサンティアゴ・ベルナベウを本拠地とするRマドリード(スペイン)の監督に就任することを事実上認めた。すでに気持ちは新たな挑戦に向いている。
◆異なる2クラブでCL優勝監督 前身のチャンピオンズ杯時代から、わずか2人しか達成していない。最初はエルンスト・ハッペル監督(オーストリア)で70年にフェイエノールト、83年にハンブルガーSVで優勝。欧州CLへ改編後にはオットマー・ヒッツフェルト現スイス代表監督(ドイツ)が97年にドルトムント、01年にバイエルンで優勝している。
ジョゼ・モウリーニョ 1963年1月26日、ポルトガルセトゥバル生まれ。47歳。24歳で選手生活を断念し、コーチ業へ転身。ユースのコーチを経て2000年にベンフィカで監督デビュー。02年からFCポルト監督に就任し、国内リーグ連覇。04年には欧州CL優勝に導く。その後チェルシーでもリーグV2。08年にインテルに就任し、今季リーグ、イタリア杯、CLの3冠を獲得。
(スポーツ報知 - 5月24日8時0分)

モウリーニョがいなくなるのは規定路線だったから、別な意味でモチベーションが上がっていたんでしょう。
先のことはともかく、今は45年ぶりのVの喜びをかみしめたいと思います。