「2010」

後発薬「2010年」で大競争 特許切れで新薬勢も参入へ
特許切れの新薬(先発薬)と同じ成分を使用する後発薬メーカーが新薬メーカーの牙城だった国内医療用医薬品市場で攻勢を強めている。政府の普及促進策を追い風に、来年以降、糖尿病薬など新薬メーカーの主力薬の特許切れが相次ぐ「2010年問題」が後発薬メーカーにとっては売れ筋の薬剤を自社製品に追加する好機となるためだ。ただ、迎え撃つ新薬メーカー側も逆に後発薬市場に乗り込む動きをみせており、競争激化で、経営体力のない後発薬メーカーの淘汰が進む可能性がある。


「5年以内に売上高1000億円を達成する」。
後発薬最大手、沢井製薬の沢井光郎社長は意気軒昂(けんこう)だ。
同社が今月発表した2009年4〜6月期連結決算は最終利益が前年同期から2.5倍も増加した。東和薬品も同決算で大幅な増収増益を果たし、日医工は09年5月の中間連結決算で売上高、経常利益がともに過去最高を更新するなど先行者メリットを享受している。
政府が08年4月に、処方せんの様式を変更して医師が「後発薬に変更不可」と特記しない限り患者が後発薬を選べるよう規制緩和した結果、調剤薬局を中心に後発薬の採用が広がった。
後発薬は新薬に比べて研究開発費がかからないため、薬価が新薬に比べ3〜7割程度割安になるのが特長だ。このため、医療費の抑制を狙う政府は医療用医薬品に占める後発薬の数量シェアを04年度の16%から12年度には30%以上に引き上げる目標を掲げ普及を後押ししている。
2010年問題は、新薬メーカーにとっては、主力薬を独占的に販売できなくなるため、シェア(市場占有率)を後発薬に奪われる懸念が高まる。だが、後発薬メーカーからみれば「品ぞろえを拡充して、収益増につなげる絶好の機会」(業界関係者)となる。このため、沢井製薬は12年3月期までの3年間で、武田薬品工業の糖尿病薬「アクトス」の後発薬など新製品を100品目超投入し、売上高を09年3月期比67.1%増の740億円、最終利益を同2.5倍の60億円に引き上げる方針。日医工も12年11月期までの4年間で新製品を100品目超発売し、売上高を08年11月期比3.1倍の1330億円まで増やす計画だ。
沢井製薬によると、国内後発薬市場の規模は12年3月期に09年3月期比36.9%増の7050億円に拡大する見通し。医療用医薬品市場全体の成長率予測(同11.7%増)を大きく上回る。
有望市場としての魅力が増しているだけでに、新薬メーカーも攻勢をかけるほか、海外大手の参入機運も高まっている。
新薬大手のエーザイは後発薬を国内事業の柱の1つに据えて営業を強化するほか、第一三共も昨年11月、インドの後発薬最大手ランバクシー・ラボラトリーズを買収し参戦する構え。後発薬世界最大手のテバ・ファーマスーティカル・インダストリーズ(イスラエル)は中堅製薬会社の興和合弁会社を設立し、日本市場を攻略する。
一方で、後発薬業界は規模の小さいメーカー40社以上がひしめくだけに、生き残りは厳しい。
産経新聞 - 8月24日9時7分)

世界で病魔が絶えないひとつの理由に、「薬が高い」ことも理由のひとつにあるんじゃなかろうかと思います。
救援物資を送るにしても、安けりゃその分多く買えますから。
安全性は最重要視されなければならないが、ぜひ育ててほしい市場のひとつです。