食べることでCO2を排出している

鶏肉のアマタケ 店頭までの全工程 温室ガス排出量を初算出
全国の高級スーパー向けに鶏肉や加工品を生産・販売しているアマタケ(岩手県大船渡市)は、鶏肉1キロを生産し、店頭に届けるまでの過程で排出される二酸化炭素(CO2)など、温室効果ガスの総量を算出することに成功した。日用品や加工食品で前例はあるが、国産精肉では初めて。取引先と協議したうえで包装や店頭で表示し、消費者に示していく考えだ。


◆消費者と企業に利点
商品ごとに温室効果ガス排出量を示す利点は、具体的で分かりやすいこと。消費者が環境負荷の低い商品を選ぶ目安になるほか、企業にとっては生産管理の徹底ぶりをアピールできる。
英国から普及し、日本でも最近、加工食品や日用品で表示が始まっている。経済産業省も「カーボン・フット・プリント」(炭素の足跡)として、基準づくりを進めている。
アマタケがはじき出した主力商品「南部どり」1キロ当たりの排出量は、「約1.4キロ」。北欧での算出例(同1.7キロ)よりやや少ない水準となった。
同社の甘竹秀企社長は「社員の環境への意識を高めようと約1年かけて取り組んだ」と説明。環境にこだわることで、「食べ残しや拡大オンリーの生産をなくすことにつながれば」という思いもあったという。


◆540項目のデータ収集
精肉の排出量算出をめぐっては、外国産の餌などを使う関係上、データ収集が難しい項目も多いという。アマタケが半年かけて集めたデータは「南部どり」用だけで240項目。別に計算した加工品用も含めると540項目に達した。
データは、鶏舎暖房や成鳥の処理、商品のトラック輸送などで生じた排出量に加えて、社員の通勤や手洗い後に使うペーパータオルに至るまでと幅広い。
算出に協力した「みずほ情報総研」(東京都千代田区)の加地靖・環境資源エネルギー部次長は「防疫のために飼料の消費量や配合比率のデータを数年分管理しており、こうした普段の努力でスムーズに算出できた。やりたくてもできない会社も多い」とデータの重要さを強調する。
甘竹社長は「今後も暖房に活用する鶏糞(ふん)エネルギーを増やすなど努力を続けたいが、数値ありきではない。品質にこだわった結果として数値が上がっても正直に示したい」としている。
(フジサンケイ ビジネスアイ - 7月29日8時16分)

導入するのにぜんぜん簡単じゃないことは容易に察しはつきますが、どこをどうやったらCO2が減らせるのか、目で見せることができるのは大きい。