暖かな破滅

<オゾンホール>今世紀半ばにはなくなる!? 代替フロン地球温暖化に悪影響
「オゾンホール」とは、南極の空のオゾン層が破壊され、ぽっかりと穴が空いたようになることだ。生き物に有害な紫外線が地球にたくさん届いて、人間の健康を脅かす。このオゾンホールが、今世紀中になくなる見通しという。世界の国々が協力して、オゾン層を破壊する「フロン」を使うのをやめたおかげだ。地球にとってはいいニュースだといえる。
オゾン層破壊に歯止めをかけられた理由は二つ。フロンに代わる物質が開発されたことと、先進国と途上国が協力し合ったことだ。フロンの代わりとなる代替フロンとして、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)やハイドロフルオロカーボン(HFC)が登場した。HCFCは1980年代後半から使われ始め、オゾンを壊す力はフロンの10分の1から100分の1ほど。それより新しいHFCはオゾンを破壊しない。
オゾン層を破壊する物質の使用をやめるためのスケジュールを国際的に取り決めたのが「モントリオール議定書」だ。HCFCの使用と生産は当初、先進国は2020年、途上国40年と約束した。07年秋に途上国はこれを10年早めて30年とすることで合意した。先進国は、HFCへの切り替えなどで途上国を援助する。
HCFCやHFCへの切り替えで、オゾン層は保護されるが、温暖化防止には悪影響がある。どちらも強力な温室効果ガスだからだ。特にHFCはオゾンを破壊する力はないものの、温室効果力が最大で二酸化炭素の1万数千倍と言われ、使用が増えると地球温暖化を進める恐れがある。地球を暖めない代替フロンの開発が求められている。
毎日新聞 - 12月29日12時0分)

オゾンホールの脅威がなくなっても、便利さを突き詰めれば、違う悪魔が自らを侵食する。