やっぱり暑いんですね

チョウ北上 南方系が福岡土着 昔の珍種 普通種に 温暖化影響か 図鑑も大幅改定
南方系のチョウが福岡に土着するなど、チョウの分布域の北上が止まらない。日本に生息するチョウの種類は増え、昆虫図鑑も大幅に改定されている。日本蝶(ちょう)類学会長の矢田脩・九州大学大学院教授(昆虫分類学)は「地球の温暖化が昆虫界に大きな影響を与えている」と警鐘を鳴らす。
チョウは世界に約2万種、日本に約300種分布する。(1)外界の温度で体温が変わる変温動物(2)種類によって好む餌が異なる(3)愛好家が多く情報量が豊富‐などの理由で、環境変化や植生を知る重要な指標になるという。
温暖化に伴い、チョウの分布域に異変が起き始めた。九州南部が北限だったタテハモドキは2000年に福岡県内で大発生し、九州全域で土着した。九州で生息するナガサキアゲハは関東にも定着。「珍チョウ」と言われた南方系のイシガケチョウは普通種になった。
最近では、鹿児島県・奄美諸島以南に生息するカバマダラが福岡県内で毎年発見される。矢田教授は「越冬は未確認だが、カバマダラも定着しつつある」と分析する。
1950年代末、熱帯性のチョウが30種以上分布するのは鹿児島、宮崎両県以南だったが、90年代に西日本全域に拡大、現在はさらに広がったとみられる。また、日本のチョウは約30年前まで約250種だったが、分類が進んだ上、南方系のチョウが北上して約50種増えたという。
チョウのデータベース化や図鑑の編集を手掛ける矢田教授は「急速な分布域の変化に恐ろしさを感じる。南方のチョウが食性を変え、先に生息していたチョウを駆逐するなど、小さな異変の積み重ねが大きな影響をもたらす可能性がある」と危機感を募らせている。
西日本新聞 - 7月2日7時7分)

昆虫の生態系は無視できないもんねぇ。