戦士は休まない

杉原輝雄 がん悪化告白も生涯現役
“ゴルフ界のドン”杉原輝雄(70)=ヒグチ歯科グループ=が13日、10年前から闘病中の前立腺がんが転移している可能性をデイリースポーツに明かした。大阪府内の病院で検査を受け、医師から告げられた。杉原は「あと何年生きられるか分からんが、この年まで生きられたんやし、しゃあないやろ」と動じることなく、今季も国内男子ツアー第2戦のつるやオープン(24日開幕、兵庫・山の原GC)を皮切りにレギュラーツアーに出場し、「生涯現役」を貫くことを誓った。
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前立腺がんと懸命に闘い続ける杉原が衝撃的な事実を明かした。「この前、医者から『前立腺がんが転移している可能性があります』って言われたんや。まだ、はっきり決まったわけやないけど。これからも定期的に検査を受けて調べていくことになるやろうな」。
今年に入って、がんの進行具合の目安となる腫瘍マーカーPSA値(前立腺特異抗原値)が急激に上昇。3月中旬に、がん治療を受けている茨木市内の病院であらためて精密検査した。はっきりとした転移は確認できなかったものの、検査結果は決して芳しいものではなかった。
前立腺がんが発覚したのは97年12月。95年から前立腺肥大の治療を受けており、その過程で見つかった。治療の選択肢は手術とホルモン療法の2つあったが、当時60歳という年齢での手術はレギュラーツアーからの撤退を余儀なくされかねないと判断し、月に1回、女性ホルモンの注射を受けてPSA値を抑える治療を選んだ。その後、病状は安定し自覚症状もなかったが、再び病魔が襲いかかろうとしている。
「可能性としてはリンパ節に転移していることもありうる。だとしたら、あと何年ぐらい生きられるか。3年とか5年とかかもしれん。そりゃ、気分的には決してええもんやない。でも、この年まで生きられたんやし、しゃあないやろ」
そう語る口調は淡々としており、達観した雰囲気さえ漂っていた。今後も特別な治療を受ける考えはなく、これまで同様に月1回のホルモン注射を受けながら、今季もプロゴルファーとして最もこだわり続けるレギュラーツアーに出場することを決めている。
自身初戦のつるやオープンは、06年にエージシュートには1打及ばなかったものの、68歳10カ月の史上最年長予選通過を果たした相性のいい大会。さらに翌週は中日クラウンズにも出場するなど今季も7、8試合にエントリーする予定だ。
「つるやも中日も僕にとって距離は長いけど、チャンスはあるんやないかと思っている」。両大会とも石川遼パナソニック)が出場するため、注目はそちらに集まっているが、その陰で、エージシュートと予選通過の記録更新をしっかりと見据えている。「生涯現役」を掲げる大ベテランが、自らの生きざまをかけて戦う。
(デイリースポーツ - 4月14日10時44分)

休まない姿、無茶をして戦う姿が必ずしも美しいものだとは自分は思わないのですが、生き様を見せることは必要なことかもしれませんし、そう確信しているというのなら、ベテランにかける言葉じゃないかもしれませんが、「1mmでも前進を!」と思います。