わかりきっていた航空需要

神戸空港“視界”不透明 2年連続で需要予測下回る
16日で開港から丸2年を迎える神戸空港神戸市中央区)の1年間の空港利用者数は約300万人で、市の開港時の需要予測(319万人)を2年連続で下回ったことが分かった。格安の羽田便を就航していたスカイマーク(SKY)が4月下旬から2便減便することを表明する一方、ライバルの新幹線が来月15日のダイヤ改正新神戸−東京間を増便。空と陸の輸送競争はますます激化しており、開港3年目も“視界”は不透明だ。
神戸空港では、日本航空(JAL)、全日空(ANA)、SKYの3社が羽田、新千歳、那覇など6都市に向け1日27便を就航。SKYは開港時、羽田便を1日7往復就航させ、70〜75分で結ぶ。機内サービスの簡素化などで運賃をJALとANAの半額に抑え、60〜65%の搭乗率が採算ベースとされる航空業界にあって羽田便の2年目の搭乗率は78・2%を誇っていた。
しかしSKYは今月に入り、4月下旬から羽田−神戸便を減便し、旭山動物園など夏の観光客増加が見込まれる北海道旭川市に向けて羽田−旭川便の新設を表明した。3本の滑走路を持つ羽田の発着枠は飽和状態のため、新規路線就航には他路線の減便が不可欠となり、羽田−神戸便がその犠牲になった格好だ。
同社の広報担当者は「原油高による燃料費の高騰など環境の変化が生じた。搭乗率だけでは表せない点が多い」と厳しい競争の現実を語る。
一方、運賃ではSKYには及ばないが、本数で圧倒的に優位だった新幹線。
JR西日本は、来月15日のダイヤ改正で東京−新神戸間ののぞみ運転本数を上下88本から92本に増やし、西明石午前6時始発の東京行きのぞみを新設する。航空機利用だけが実現できた「午前8時台の東京都内の到着」が新幹線でも可能になり、神戸空港の包囲網は着実に強まる。
神戸空港の開港後、市への観光客数は平成18年度で2920万人と前年度から約7%増加。空港近くのポートアイランドには大学や企業の進出が相次いでいるのも空港とは無縁ではない。
市はこうした「空港効果」をさらに発展させようと、22年10月に予定されている羽田の第4滑走路供用開始を視野に入れ、安全上の理由による神戸空港の1日30便制限の撤廃を国などに働きかける方針だ。
しかし、関係者は「関西国際空港が昨年の第2滑走路オープンで発着枠が増えた。その経営を圧迫するようなことは認められにくい」と語る。
SKYは「将来的には新たに神戸−新千歳便の就航を検討中」とするが、新幹線の攻勢に加え、燃料費の高騰が重なる。神戸空港はどう生き残っていくのか、開港3年目も模索が続きそうだ。
(iza - 02/15 11:07更新)

まず、新幹線がN700系を何が何でも作ったわけは、明らかに神戸空港対策なんだけど、これが今度のダイヤ改正でじりじり本領を発揮しはじめる。
そして、大阪国際空港(伊丹)が格下げ(第一種整備空港→第二種)に伴い一部自治体負担になり、もともと兵庫県にある伊丹があれば神戸の必要性は薄れてしまう。
さらに、記事本文にも出ている関西が強力な巻き返しを図り、神戸どころか中部まで逆風にさらされている。
わざわざ需要の薄い神戸を使うだろうか。