帰り際の真実

11曲目あたりで、救護室をあとにし、さすがに客席に戻るわけにもいかずバス停へ向かう。
ただ、そこからステージは丸見えで・・・
ムービングライトは使っていない。
しかし、巨大セットに仕込んである特殊照明と、会場全体にあるスクリーンを使った画像(あまりそれには頼っていないようだが)と、サーチライトは絶大な効果を発揮していたようだ。
正直なところ、桑田のドームソロツアーは別にして、サザンの過去ライブ(ドームツアー「セオーノ・ハナ・ル・キテス」、横浜アリーナ年越し「晴れ着でポン!」、茅ヶ崎ライブ)を見た限りではあまり照明ではすごいと思ったことはなかったんだけど、この日ばかりは美術スタッフに対して「やるな・・・」と思う内容だった。
ムービングを使っても後ろは見えないし、多人数相手には「いかに後ろまで圧倒するか」がテーマになるわけで、そこまで織り込んだ、非常に計算されたライティングだった。


面白いのはバス停での反応。
結局最後の曲と花火が打ちあがる瞬間まで全部見ることが出来たのだが、曲にあわせてバス停のお客さんが盛り上がっているじゃないか。
これは警備上どうかとは思うが、曲はきっちり外まで伝わっている証拠。


ずいぶん捻じ曲がった構造のフェスだったが、結局のところこうだ。
9.11で覚醒してしまった桑田のおっさんが、サザンというツールを使って、自分なりの戦いを始めたということ。
そのために、「ソロの桑田が」「グループとしてのサザンに」声をかけた。
ぱっと見、単なる夏祭りの豪華版にしか見えないところがらしいといえばらしいのだが、そこで終わらせないために、GLAYとミスチルに声をかけた・・・ということなんだろう。
初日は見ていないが、加山雄三を呼ぶことによっての音楽的な模索をおっぱじめたという意味合いに取れる。



最後の最後で、パズルが解けたところで、ホントの桑田佳祐の才能の恐ろしさを思い知った。
天才は、枯れるどころかますます絶倫だ・・・・