民営化ってこういうこと

1日乗降1人以下の46駅、JR北が廃止方針 打診開始
朝日新聞デジタル 10月2日(日)14時34分)


JR北海道が来春のダイヤ改定に合わせ、1日の乗降客が1人以下の46駅を廃止する方向で沿線の自治体に打診を始めた。同社の駅全体の1割にあたる。自社単独で維持できない複数路線について沿線自治体と協議する方針とともに、収支改善を急ぐという。
JR北によると、北海道新幹線と季節限定駅を含む435駅のうち、1日の乗降客が1人以下の駅は51(12%)。そのうち、留萌線留萌―増毛間の礼受(れうけ)など5駅は、同区間廃線となる12月5日に廃止されることが決まっている。
46駅のうち千歳線美々(びび)駅がある千歳市の関係者によると、JR北が先月下旬までに市に対して同駅の来春の廃止を打診。鉄道事業の赤字縮小のため整理を進めていると説明したという。

儲からないことはやらない、至極当たり前な資本主義の現実を突き付けられたにすぎない。

後出しじゃんけんはだめよ

バスタ新宿、コンビニ出店が頓挫 トイレ掃除が原因?
朝日新聞デジタル 10月1日(土)13時30分)


東京・新宿周辺の高速バスとタクシー乗り場を集約した国内最大のバスターミナル「バスタ新宿」で、コンビニエンスストアの出店計画が頓挫した。トイレの掃除の分担などを巡り、管理する国土交通省と業者が折り合えなかったという。長旅の拠点に、売店の無い状況がしばらく続く。
4月に開業したバスタには1日最大1600便のバスが発着し、4万人が利用する。JR新宿駅に直結する4階建て施設(広さ約1万4700平方メートル)だが、おにぎりやサンドイッチなど軽食を販売する店は無く、利用者からは不満の声が上がっていた。
そこで国交省は待合室の一部(123平方メートル)にコンビニを設置しようと8月に入札を実施。ポプラ(広島市)が年間「賃料」約450万円で落札、9月上旬に出店するはずだった。
ところが、公共施設への出店のため、ポプラは国交省側からの条件に待合室のトイレ掃除があると考えていたが、今後増設されるトイレの掃除も任される可能性が出てきた。コスト増が懸念されたことから、9月1日に辞退した。
ポプラの担当者は「示された条件があいまいで、一つひとつ認識の差を詰めると時間がかかり、出店を見送らざるを得なかった」。国交省の担当者は「清掃の話はしたが、トイレ掃除の話はしていない。(ポプラが)自社都合で辞退され残念」と話す。国交省は改めて業者を募集するため、10月7日に入札を行い、11月上旬のオープンを目指す。

相当もめた構図が目に浮かぶ。
11月上旬は無理でしょうね。

百貨店も曲がり角

三越伊勢丹エッフェル塔近くに進出 欧州再出店狙う
朝日新聞デジタル 10月2日(日)9時41分)


三越伊勢丹ホールディングスは30日、欧州で本格的に再出店する構想を明らかにした。かつて日本人観光客らにブランド品などを売る店を出していたが閉店が続いた。今後はよりすぐりの日本製品を現地の大西洋社長がパリで朝日新聞の取材に「パリ、ロンドン、ニューヨークに店を出したい。構想中だ」と語った。足がかりとして1日、エッフェル塔近くの「パリ日本文化会館」内に「ザ・ジャパン・ストア」を開いた。
同店では、京都の老舗・一保堂のお茶や、江戸切子、和紙を使った文具など、日本の技、細やかさが織りなす商品をそろえる。3年ほどかけて欧州の消費者の嗜好(しこう)をつかみたい考えだ。将来、パリに本格出店する際の店づくりを意識して、「食品、リビング、ファッション(のどのような組み合わせ)が、どうフィットするかを探る」(大西社長)という。今後の出店をにらんで不動産の状況も調査中だ。
三越は1970年代からパリ、ロンドン、独ミュンヘンマドリードなどに店を開いたが、2000年代に閉店が続き、ローマ店が残るだけになった。伊勢丹もロンドンやウィーンの店を閉じたほか、高島屋やそごうなども軒並み撤退。従来型の「日本人観光客や在留邦人が安心して買い物できる日本の百貨店」には限界も指摘されていた。

だいたい、世界的にデパート自体淘汰されているのに、発想が夢物語過ぎる。
バーチャルに力を入れたほうが賢明かと思いますが、それすらどうかと思ってしまいますもの。

時計に20万もかけたくありません

「チープカシオ」世界で高評価 宣伝なしで売れる…メーカー側もびっくり
産経新聞 10月2日(日)8時20分)


数百円から数千円程度で気軽に購入できるカシオ計算機の腕時計「チープカシオ」が近ごろ注目されている。ツイッター、インスタグラムなどインターネット上のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)にも取り上げられ、人気だ。ライバルのシチズンが同価格帯で展開するブランドにも影響が及び、「チープシチズン」の呼称も定着。両社とも「宣伝も広告もまったく出していないのに」と驚きを隠さないが、腕時計の主戦場といえば数十万円以上の高級時計で、やはり“チープ”では業績アップにはつながりにくいようだ。
昨年秋、大阪市中央区の家電量販店、ビックカメラなんば店の売り場に「チープカシオ」コーナーが登場した。十数種の腕時計がずらり並ぶが、モノによっては棚に空きも目立つようになってきた。担当の村上真悠さんは「入荷して1〜2週間もすれば、品切れが出てしまう」と話す。チープカシオを購入するのは、主に10代〜30代の若い世代で、カシオという日本メーカーの信頼性もあって、台湾や東南アジアから訪れる観光客もよく買っていくという。
こうした人気に、カシオの広報担当者も「何の広告も宣伝もしていないのに」と驚く。だが、チープカシオという名称も自然発生的に生まれたため厳密な定義がなく、「どこまでがチープカシオなのか把握しきれていない」状態なのだという。陳列ケースに飾られる高級時計とは異なり、チープカシオは家電量販店やホームセンターでケースごとフックにかけられて売っているイメージだ。販売価格も最安で千円を下回り、高くても4千円ほどに収まる。
20〜30年ほど前から商品展開されているたモデルも多く、時計としてベーシックでシンプルなデザインが特徴。種類も豊富で、デジタル表示、アナログ表示だけでなく、細かな部分や色の違いもあって幅広い。海外モデルが逆輸入され、国内で販売される場合もあるようだ。
人気はフェイスブック上で広まった逸話がきっかけとも言われる。昨年、英国人男性が約20年前に紛失したデジタル表示の“チープカシオ”を自宅の庭で偶然見つけた。故障していなかった。泥だらけになっても動いていたという記事を投稿すると、それが世界中に拡散され、チープカシオのタフさが再評価されたというものだ。ここから、若い世代がチープカシオに関心を示すことになり、魅力を感じた人たちがツイッターやインスタグラムで次々と紹介し、輪をかけるように広まったようだ。
カシオ腕時計の魅力を紹介するサイト「カシオ腕時計マニアックス」を運営するShowさんは、「チープカシオは、時計として精度は高い半面、安い。そのアンバランスさがうけている」と人気の秘密を分析している。そのうえ「素材をうまく使ってデザインされ、値段以上のアクセサリー性がある」とShowさん。造りこそ薄くできているが、「そのペラペラな感じがかわいらしさ、憎めなさになっている」と評した。
今年に入り、価格の安い腕時計への再評価はカシオ以外のメーカーにも波及。シチズンがチープカシオと同価格帯で売り出している「Q&Q」ブランドに目が向けられ、「チープシチズン」として親しまれるようになった。これも、安いのに質が良いと口コミがSNSを中心に広がっていき、人気モデルはインターネット通販向けで昨年と比べ5倍近く出荷量が増えたという。シチズン広報担当者は「何もしていないのに注目される驚きもあるが、うれしい」と話す。
チープカシオにチープシチズンが続き、ちょっとしたムーブメントになりつつある安価な腕時計だが、両社とも「業績にはほとんど影響しない」とみている。腕時計の国内市場は昨年、売上金額ベースで約9002億円と推定されるが、スイス製の機械式腕時計が約7割を占める。理由は、スイス製の商品単価が高価なためで、初心者向けのエントリーモデルでも軽く20万円台。数十万、100万、200万円台がざらにあり、複雑で特殊な機構になれば数千万円も当たり前の世界だ。
スイス製1本で、チープカシオやチープシチズンが何千本、何万本も購入できる計算になるため、いくら人気と言っても太刀打ちできないわけである。そのなかで、セイコーウオッチを含め国内メーカーは、GPS(衛星利用測位システム)からの電波を受信して時刻精度を向上させるなどして高機能にすることで、価格を20万円台まで引き上げ、市場での存在感を高めてきたのだ。
それでも「ブランド力」という意味で、メーカーにとっては安い腕時計も重要な商品のようだ。「(チープカシオが)カシオというブランドを世界に発信し、腕時計という商品をなじみ深いものにしている」(カシオ広報)。「ベルト交換など、自分なりのカスタマイズをして楽しんでもらっているようだ。(チープシチズンを)時計という楽しみを知るきっかけにしてほしい」(シチズン広報)。「腕時計」というジャンルの世界に興味を持ち、メーカーのファンとなってもらえれば、“もうけもん”なのかもしれない。

安いが精度がだめ、では売れませんからな。